【高校生・明日のためにできること!】 考える編②
『ファッションは必要か否か』
今日は、【明日のために…】考える編、2回目。
考える編は高校生が社会に出る前にこんなことを考えてみては?というだけでなく、学校の先生が授業のレシピ、小論文のテーマとして、子どもとの会話の中に混ぜ込んで家庭内教育を充実するよう使ってもらえると嬉しいです。
さて今日のテーマは『ファッションは必要か否か』です。
まずは今日のこのニュースをお読みください
衣食住、衣の役割
昔から日本には衣食住という言葉がありますが、この中でも、「衣」というのは若干、毛色が違うように思います。
「食」は言わずもがな、生きるために絶対にしなくてはならないものですね。住居も余風邪しのぎ、寒さ厚さを防ぐためには欠かせません。
しかして衣服は?
確かに、服がなければ家の外で暑さ寒さをしのぐには事足りません。
また服には所属を表す意味もあります。ユニフォーム、制服、民族衣装など、集団への帰属意識を表すことで生活をスムーズにします。
同じ服を着ていることで一体感を得られる安心感は、流行の服を皆で身に着けることでも得ることができます。そして自分が時流に乗っている人間だ、と他者に言外で伝えることもできます。
普通の人と違うと表現したければ、突飛な格好をすればいいですし、機能的な格好、シンプルな格好、自己表現の役割を担っています。
ファッションとしての衣服は必要ない?
ただ一方で上記のニュース内で
”ファッション産業は「世界第二の環境汚染産業」とも称される。”
と書かれていました。
確かに突き詰めれば衣類というのはそう多く必要ありません。
毎日洗濯、乾燥がしっかりできれば、下着・肌着類、Tシャツ類、仕事用のTシャツ、冬用のアウター程度で済むでしょう。これに冠婚葬祭用のアイテムがいくつかあれば1年行けそうです。
実際ミニマリストの方々の洋服ダンスの中身はそう多くありません。
これもニュース記事内で書かれていましたが、冬に欠かせないダウンジャケットの中身はもちろん羽毛。鳥の羽。これを作るために何がなされているかは想像に難くありません。
多くの服で使われている綿ですが、日本ではあまり生産されておらず輸入に頼っています。スーピマコットンなんてよく見ますが、あれはアメリカのものですね。
最近多く使われている化学繊維の原料は石油。わざわざ地中にある炭素を掘り起こして、最終的にゴミとして燃やせば温暖化につながりそうです。
また別の面を考えるとニュース記事内にも書いてありました、染め物なんかは大量の水を使います。きれいな水を使って染めるということは2回環境に負荷をかけます。
一回目はきれいな水を大量に持ってくるということ。川の水などをそのまま使えるわけではないので、まずは浄水、治水するというプロセス。そして廃棄水をきれいにするプロセス。
色々挙げていくと環境負荷は高そうです。
またファッションではなく、例えば世界的に足りていないといわれる産業に回すということもできるかもしれません。
SDGs的に考えても飢餓をなくすため、綿花ではなく食料を作るということもできるでしょう。
それでも資本主義の社会では人々が欲しいもの=価値の高いものを作るので、綿花作りが選ばれます。
ファッションのない世界でいいの?
ただ一方で大企業であるユニクロ(ファストリテイリング)さんが急に舵を切ってしまうとどうなるのでしょうか。
大量の失業者の連鎖が想像されます。
特に下請け、縫製・染ものなどを手掛けている人たちが苦しい世界になってしまいそうです。
そして個性などが発露しづらくなるというのはなんだかちょっと異様ですね。ディストピアSFなどで見られる寒暖がすべてしのげるスーツが出たとして本当に皆がそれを着るのでしょうか?
ということは顔と髪型だけで勝負するのでしょうか?
いやぁ私は自信がまったくなくなって、家から出られなくなってしまいそうです。
まとめ
色々と考える因子を増やしていくと一概に、「ファッションはだめ!」と切ることは難しいことがわかります。
なにより、おしゃれすることって楽しいですからね。
ただ、一部一部を切り取って考え、たとえば”綿花を作る地域の人々に別の作物や仕事を提供する”であったり、”耐久性があり長く使えると同時に、ヌメ革のように時間経過による味を楽しめる服を作る”など自分が望む未来を作ることができるかもしれません。
敢えてあまりこれはどうだろう?というアイディアを書いていないのでどうぞいろいろ想像してみると面白いと思います。
答えのない問題を悩んで、ほんの一歩でも進むことが地球のサステナビリティにつながるといいですね。
自分の周りの方々が長生きしてほしいのとともに、地球さんにも長生きしてほしいものです。