前回は金融教育の概要、何について学ぶかをまとめていきました。
はじめから読む↓
今回は考えられる問題点についてです。
公教育としての限界
まず、学校の特性として、コンプライアンスを徹底的に重視しなければなりません。
何気ない言動にも配慮が必要です。
ライフプランニングを考える授業があったとします。
収入と支出のバランスを考え、賭博や遊興施設での無駄遣いはできる限り控えようという発言も、学校では場合によってはNGです。
授業を受けている子どもたちの保護者がそのような遊興施設で働いている場合、その仕事を悪く言っていると捉えられかねないからです。
ひどい保険商品や投信の説明などが世の中にあることを伝えたくとも、子どもたちの理解力によっては保険販売者や証券マンがお金に汚い人と捉えられかねません。
その結果、配慮を重ねると一般論的なことしか言えなくなる懸念が考えられます。
税金について話しづらい
税金の在り方を話しづらいことも挙げられます。
学習指導要領をあらためてよく読んでみると、小中学校では、金融教育を行うのはニュースで取り上げられている社会科、家庭科だけでなく、道徳でも行うと書かれています。
お金の正しい使い方(公益)を伝えるだけでなく、納税の義務についても授業で取り上げるということです。
もちろん税金を払うことは当たり前なのですが、一方で特に経営をする人にとってはどのような控除があるかを理解することも大事です。
どこまで控除があるか、何を控除できるか知っておくことで起業意識も変わってくるでしょう。
また個人で知っておくべき医療費や配偶者控除なども理解したいところです。
金融教育としてリスク商品(株など)のトレード体験をするなら、損益通算なども知っていいでしょう。
こういった税金の控除を積極的に話すことも、公益を考える学校の仕組み上難しいのではないでしょうか。
税金対策は誰もが知りたい情報でしょうが、テレビでも見かけることがほぼ無いタブーのような話。
こちらも先生に教えてもらうのは難しいかもしれません。
③に続く