対処するより予防する。
昨日は相対的貧困の状況と教育格差についてお話させていただきました。
今日はその続きです。
可処分所得の多寡で大学の進学状況が変わるということ、もしくはスポーツ、芸術面でもその成長に影響があるかもしれない(実際している)話をしました。
また地域的な問題もあるかもしれません。大手の塾があるのは大都市だけ。その塾で教えられるメソッドが大学入試に大きく影響があるというのは資本主義としては健全ですが、”平等”という意味では問題があるように思います。
こういった所得や地域の格差のことを考えるときに必ず思い出す人物がいます。
2019年、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さんという方。
今の私の活動に影響をもたらした中村哲さんという方のお話をさせてください。
中村哲さんの経歴
福岡県出身で九州大医学部卒、医師免許を取り数年日本の病院で働きます。
転機が訪れたのは、1984年。パキスタンのペシャワールという地域に行き、そこから20年以上にわたって現地でハンセン病などの治療といった医療活動に従事してくださいました。
途中、パキスタン国内で政府の圧力で活動の継続が困難になったとして、アフガニスタンに現地拠点を移して、活動を続けました。
政府の圧力で活動が出来ないという理不尽な弾圧をされても、日本に帰るという選択をせず、それでも目の前の人のために働こうという意志にまず感銘を受けます。
中村哲さんの取り組み
2010年、水があれば多くの病気と帰還難民問題を解決できるとして、福岡県の山田堰をモデルにして砂漠まで総延長25kmを超える用水路を完成させます。
暮らすのに困っているから略奪などの暴力が起き、怪我が絶えない。水がないから泥水をすすらなくてはいけない、だから病気が起きる。そういって中村さんは用水路を作りました。お医者さんが治療をするだけではなく、根本的な原因である問題を対処するため、自ら用水路を掘る。その行動力に驚かされます。
2016年には、現地の住民達自身で用水路を作れるように、学校を準備。それだけでなく、住民の要望によりモスク(イスラム教の礼拝堂)やマドラサ(イスラム教の教育施設)を建設。
ただ単純にあげるだけでなく、その状態を継続していけるように教育施設なども建設する。よく言われる、食べ物をあげるだけでなく、その食べ物の取り方を教えるという実践をやってらっしゃいます。
2019年、12月4日に同乗者とともに凶弾に倒れることになってものちも、多くの方がその遺志を継ぎアフガンに緑をもたらすよう活動しています。
つい最近の、 2021年1月14日、アフガニスタン政府は人道支援活動の功績をたたえて中村の肖像をデザインした切手を発行するということがニュースになっていました。
まとめ
ことが起きてから対処しても、もうその時点で病気になっていたり、諍いになっていたり、もっとひどいといろいろな意味で手遅れであったりすることがあると思います。
日本の現状も、一見幸せに見えていますが、一歩踏み込むと心身のどちらかに病気を抱える人、あおりや諍いの絶えない風景、そしてそれらが手遅れになり過労や諍いが嫌になって。。。ということもなくはないのではないでしょうか。
私も、海外で活動していくのは今の暮らしの中で難しいですが、日本で身近な人にやさしく、根本的なことを解決していくことはできるのではないかと考えています。
つたない私の語りではしょうがないと思いましたので下記に紹介のリンクや中村さんの書籍のリンクを張らせていただきました。もしご興味あったらご覧ください。
学校の先生も見ているかと思いまして、小学校用やフリーの英語教材なども併せてリンクを紹介してあります。よかったら学校やご家庭でご利用ください。